本人からのヒヤリングに基づき報告します。
■発生状況
デコルテ部分、素肌上、留めを作った部位に水泡が出来た
■経過
帰宅後、水膨れに気付く。
本人コメント
「解く前から当たっているなぁくらいだった。解くときではないかも?」
2日後皮膚科受診(翌日はかかりつけ医が休診日だったため)
診断 火傷 軟膏処方 赤み全治1週間 水膨れ全治2週間
3割負担 診察代1070円 処方薬570円
■原因(推測)
① ロープバーン:縄を解く際のスピードが早かった?
② 過度の圧迫が加わった。(=外傷性水疱?)
■考察
過度の荷重によっても水泡が出来る場合がある。例、太腿吊り。
これが荷重によるものなのか、あるいは挟まった結果なのか、または、縄がズレた際の摩擦熱なのかわからないが、明確にズレた形跡が見られなくても水泡を確認した例がある。
外傷性水疱(よく経験するのは靴ズレ)だとした場合、肌の表皮と真皮の間の0.1ミクロンほどの薄い膜(基底膜)の最も弱い部分である“ラミナ ルシダ”に水が溜まり水疱が形成されます。
■再発防止
デリケートな部位(特に普段衣服で隠れている部位、身体の内側)の素肌は、縄を解く際のスピードをより慎重にコントロールもしくは肌から縄を離す。受け手の皮膚と縄のあいだに自分の指などを入れるなど。
また、太もも吊りが原因などの過度の圧力のケースでは、指通しを行い、挟まり解消を行う。
また圧力を分散させるために、縄の巻きを増やす(2巻きなら3巻き)、一本で吊るのではなく、複数本の吊り縄で吊るなど。
まとめ 対処
水疱を破らずにいれば、水疱の内容液には多くの創傷治癒因子が含まれているため、比較的早く治ります。破けた場合、消毒は必要ないといわれています。消毒は傷の治りを遅くすることがあります。よく洗浄して湿潤環境を保つことが重要です。ワセリンなどを塗ってガーゼで保護するのが簡単で効果的です。
ただし、ガーゼは水分を吸い取り、通気性ゆえに傷を乾燥させてしまい治りにくくしてしまうこともあります。
「ハイドロコロイド製剤(創傷被覆材)」の使用がお勧めですが、一方で、ハイドロコロイド製剤を使わないほうが良い傷の種類もありますので、医師と相談されるのが良いと思います。
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