こんにちは!今回は、「縛り」の技術を手順で覚えるのではなく、原理で覚えることの大切さについてお話しします。この方法を取り入れることで、応用力が身に付き、縛りのスキルが飛躍的に向上します。

この記事で「手順」と言っているのは、ひとつひとつの「結び」や「留め」のことになります。「結び方」や「留め方」のお話しです。
例えば、後手縛り(高手小手)の「次はどの部位を縛るのか?」といった縛るの部位の順番は覚えておかないと、「次はどこ(部位)に縄を掛ければいいんだっけ?」ってなります。これを「縄筋(なわすじ)」(狭義)と呼びます。
手順で覚えないで原理で覚える
講習を行っていて気づいたことですが、多くの人は結びや留めを手順で覚えようとします。右からとか左からとか、下をくぐらすとか…私も最初はそうでした。しかし、手順だけで覚えてしまうと、次のような問題が起こります。
- 手順を忘れてしまう
- 最初のうちはつい手順を忘れてしまいます。
- 教える人によって手順が異なる
- 教えてくれる人が変わるたびに手順や手つきが違うため、混乱してしまいます。
- 状況が変わると対応できない
- 水平な状態(手首)では結べても、垂直(太ももや足首)になると結べなくなったり、戸惑ったりします。
原理で覚えることのメリット
手順で覚えるのではなく、原理で覚えることをおすすめしています。もちろん、人それぞれの覚え方のタイプにもよるとは思いますが、原理で覚えると以下のメリットがあります。
- 応用が利く
- 結びがなぜ機能するのかを理解することで、似たような結びや留めも覚えやすくなります。
- 左右など違う方向からでも出来るようになりやすい。
- 考える時間が短縮される
- 最初は考える時間が必要かもしれませんが、やがて考えずにできるようになります。
本結びの例
たとえば、本結びは異なる「ひと結び」を2回繰り返すことで成り立っています。これを「手順で覚えるのではなく、原理で理解する」と私は表現しています。そのほうが他の結び方にも応用が利くようになります。
- ひと結びの原理: 縄の端をもう一方の縄の下に通して締める。この基本動作を理解することで、他の結び方にも応用できます。
- 方向の大切さ:次に大事なのは縄の向き、方向です。順目、逆目(さかめ)という概念があります。ゴルフでの芝のことだったり、紙の繊維のことだったり、いろいろな分野で使われる言葉です。結び目や縄の出口の順目と逆目を区別しましょう。
- 2回繰り返すことで本結びが完成: 異なるひと結びを2回行うことで、本結びが完成します。この動作を理解すると、手順が多少異なっても応用が利くようになります。ちなみに同じひと結びを2回行うと縦結びとなります。
留めの原理(フリクション)
留めの原理を理解することで、さまざまな状況で応用が利くようになります。留め(フリクション)は、縄を固定して動かないようにするための方法です。以下に、留めの原理についていくつかのポイントと基本ステップを説明します。
- 摩擦の利用
- 留めは基本的に摩擦を利用して縄を固定します。縄同士の摩擦を最大化することで、結び目がほどけにくくなります。
- テンションの保持
- 留めを行う際には、常にテンション(張力)を保つことが重要です。張力があることで縄がしっかりと締まり、留めが固定されます。テンションが緩むと、留めがほどけやすくなります。
- 交差の位置
- 縄が交差する位置も留めの効果に影響します。交差する位置が適切であれば、縄の固定力が増し、留めがしっかりと機能します。交差点がずれると、留めの効果が弱まることがあります。
基本的な留めのステップ
留めを行う際の基本的なステップを以下に示します。
- 縄が来た方向の逆を留める
- 縄が来た方向とは逆の方向に留めることで、摩擦を利用してしっかりと固定します。
- つまり選択肢としては
- 180度に近い角度で縄を折り返す(ハコ留め、三点留め、の留め)
- 斜め45度に折り返す(クロス留め)
- 直角90度に曲げる(L字留め)
- 最初に留めた反対側を留める
- 最初に留めた方向とは反対側を留めることで、テンションを保ちながら固定力を高めます。
- ここでの選択肢は
- 斜め45度とかに折り返す(クロス留め)
- 直角90度に曲げる(ハコ留め、三点留め)
- 首または根っこ部分を留める
- 軸縄の部分などを留めることで、結び全体の安定性を確保します。

首または根っこ部分って呼びましたが、もうちょっといい表現ないでしょうか?
代表的な留めの例
クロス留め、ハコ留め、そして三点留めは、緊縛において代表的な留めの方法です。
- クロス留め: 縄を✕字に交差させることで摩擦を生み、固定する留め方です。T字や十字の部分を留めるのに非常に強力な固定力を持ち、多くの状況で役立ちます。
- ハコ留め: 縄を箱状に交差させて固定する方法です。この留め方は、十字の部位をしっかりと固定する際に非常に効果的です。
- 三点留め: 縄を3つのポイントで交差(挟み込み)させることで摩擦を最大化し、固定力を高める留め方です。これは、T字や十字部分で使われます。
指使いで覚える
もう一つのコツは「手つき(指使い)で覚える」ことです。「指をどこに突っ込むのか」という場所と方向を覚えると、縛りがスムーズになります。
- 縄を迎えに行く手わざをマスターする
- 指に引っ掛けて縄を取る動作をマスターすることで、指使いで縛りを覚えることができます。
- 場所と方向を覚える
- 指をどこに突っ込むのか、どの方向に動かすのかを覚えることも重要です。
まとめ
縛りの技術を手順で覚えるのではなく、原理で覚えることで応用力が身に付き、縛りのスキルが向上します。結びと留めの原理を理解し、摩擦やテンション、交差の位置を意識することで、さまざまな結び方に対応できるようになります。また、指使いをマスターすることで、スムーズに留めを行うことができます。
ぜひ、この方法を取り入れてみてください。
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